TOEFL 初心者向け情報の本

TOEFL・TOEICと日本人の英語力―資格主義から実力主義へ (講談社現代新書)

 
「何が何でもTOEIC」といった昨今の風潮を嘆く。(2008/04/05)

 本書は、英語のプロの立場から「猫も杓子もTOEIC」みたいな風潮を批判した本。「検定試験御三家」としてTOEFL・TOEIC・英検の試験内容を概観し、「TOEFLやTOEICには、長文読解問題がない」「TOEFL・TOEICは会話重視の試験である」「日本人は読み書きは得意だが会話ができない」「日本人のTOEFLの成績が悪いのは文法中心の英語教育のせい」等の言説が事実誤認であることを示していく。

 本書全体に漂う雰囲気として、『「心理テスト」はウソでした。』(村上宣寛 2005年 日経BP社)と似たものを感じた。『「心理テスト」はウソでした。』は、妥当性・信頼性の確認されていないエセ「心理テスト」なるものが、公務員試験や就職採用試験において無批判に実施されている現状を過激に批判していた。本書も、「就職・昇進・転職のためには、何が何でもTOEIC」というような昨今の風潮を嘆いている。

 全体的に愚痴っぽい雰囲気が強く、それだけの本なのかとも思ったが、TOEFLスコアに関する統計情報に基づいた議論(第4章「日本人のTOEFLスコアはなぜ低いのか?」)は英語教育の話につながっていて面白かった。「コミュニケーション重視の英語教育」を受けてきたはずの若い世代のTOEFLスコアは、旧来の教育を受けた世代よりもむしろ悪く、また、中国や韓国の同世代の受験者と比べると、会話もできないし文法や長文読解はもっとできない、のだそうだ。

 2002年に刊行された本なので、紹介されている試験内容も統計情報も最新のものではないが、著者の主張そのものは6年後の今日でもかわらず通用すると思う。

 
日本人の英語に対する誤解を解いてくれる本(2006/05/14)
TOEICと英検を受ける前になにかしら得るものがあるかなと思って読みました。薄い割には中身は濃く、誤解されがちな英語試験、英語教育についての真実を語っていると思います。英語を学んでいる、またはかじったことのある人は必読だと思います。
 
TOEICを受ける前に(2005/11/07)
 TOEICって何?

 とりあえず受験する前に調べてみようと手に取ったのがこの本。
 自分の要望は第2章:「三大検定試験の中身はこうなっている」(P45〜P70)ではっきりしました。

 TOEIC、TOEFL、実用英検が『何を目的とし』、『どのような内容で』行われているかが記されています。
 知りたかったTOEICでこのくらいの点数は世間的にはこのような評価……というガイドラインも載っていたのでよかったです。
(例えばスコア730〜860は、『どんな状況下でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている』という評価。この後、詳細説明もあり)

 また各検定試験の相対表(○○試験の○○点は、××試験の××点に相当する)も用意されていたので、自分の知りたい範囲は全て知る事ができました。

 私と同じような範囲の事を知りたい人はP45〜P70だけを立ち読みすれば良いでしょう。
 
日本における英語試験の現状分析(2005/09/07)
昇進にTOEICのスコアを要求する企業。英検を単位に認める大学。
このような時代において、TOEFLやTOEIC、英検などに代表される資格試験がどのような意味を持つのか?
それを解説した1冊が本書である。

内容は全編にわたって、資格試験とそれに対する筆者の考えが述べられている。
資格試験の概要はもちろんのこと、資格試験の限界や、試験を超えた異文化コミュニケーションに関することまで。
様々な意見が述べられ、中には今までの考えが覆されるようなものもあるだろう。

このように筆者の英語に対する考えを理解することができるが、逆に言えばそれだけである。
英語に対するしっかりとした考えを持っている人や資格試験の効用を理解している人にとっては、物足りなさを感じるかもしれない。
 
英語を見直す好著(2005/01/17)
資格試験の錯覚を暴いた好著。TOEFLの得点率の悪さが日本人が特に英語が苦手な根拠として挙げられるものの、しかし、例えば本当に優秀な少数の人間しかTOEFLを受けられない国家での平均点と、半分ひやかしの人間がいるのではないかとも思わせるほど受験者数の多い日本人の平均点を比較することはあまりにも思慮を欠いている、という論旨は説得力がある。さらに、韓国などの隣国と比較してみても、リスニングなどといった特に日本人が苦手と言われがちな分野において以上に、読解や文法など大学受験でも重点的に扱われている筈の分野において得点差をつけられているという事実は看過できない、と筆者は主張する。こういった全体の議論はかなり興味深いが、本書の中で行われている、東大入試の大問?の英文とTOEFLの読解問題の比較は、かなりバイアスがかかったものである。ここで用いられている東大の英文はここ数年でも、東大コースを教えてきた予備校講師を失望させ、東大を目指してきた受験生を幻滅させる程に易しかった英文で、例えばカーライルからの引用文が含まれているような例年の英文と比較すれば、大人と子どもくらいの差があると言ってよい。そのどちらかと言えば周辺的な例を持ち出してきて、『ほらTOEFLの英文は受験英文なんかより遥かに難しいでしょう』と訴えかけるのはかなり中立性を欠く行為である。
 
TOEFL・TOEICと日本人の英語力―資格主義から実力主義へ (講談社現代新書)
タイトル:TOEFL・TOEICと日本人の英語力―資格主義から実力主義へ (講談社現代新書)
定価:\714
発売日:2002/04
著者:鳥飼 玖美子
出版社:講談社
形態:新書
合計1,500円以上で送料無料!
※ 価格等のデータは日本時間 2009/01/09 05:01:29 時点のものです。

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