トム・デマルコの本
ゆとりの法則 − 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解
「仕事は効率的にやりたい」
誰もが思い考えることですが、効率化の先に何があるのでしょうか? 恐ろしい結末が待っています。 一番の問題は効率化により「ゆとり」を無くすことです。 「ゆとり」こそが組織にとっても個人にとっても 重要であることを確信できました。 それから、いまだに目標管理をしている組織に対しても 警告をしています。 「目標管理はやめろ」と言い切っています。 論理的に否定していて分かりやすいのですが、 では、私はどうすればいいのかに疑問が残ります。 一度、著者デマルコ氏と話をしてみたいと思いました。
既に発行されて7年経ちますが、毎年、1度は手にとります。
物語形式ではないので、読みやすいとは思いませんが、 折に触れページをはぐると、その時々で新しい発見があります。 「ゆとりは一種の投資である。ゆとりを無駄と考えず投資と考えることが、 ビジネスを理解している組織と、単に忙しいだけの組織の違いである。」 組織を機敏にするためには、ゆとりが重要。 組織をぎりぎりにまで効率化すると、組織が硬直化し、 柔軟性が失われ将来に対する機敏性が失われる。 現在のような変化への対応を要求される状況では、 ゆとりを持たせることが組織にとって必須、ということがわかる。 「ゆとり」は怠惰ではなく、将来に対する準備であること。
→この本は、
なぜ、今の時代に「ゆとり」が必要なのか どうやって、その「ゆとり」を取り戻したらいいのか ということを教えてくれる本です →「達成できるはずのない期限」を設定し、 「形だけの生産性」を掲げ、 「人を代替可能な部品」としてか捉えず、 「未来を描くこと」を軽視してきた 知的労働者に対して.. →散りばめられている逆説的な説明、比喩、暗喩が、 その「ゆとり」のなぜや、どうやってを 外側から教えてくれます それは、 正解を明示することより 正解を醸し出すほうが 「本質」を理解するためには、よりよいだろうという 著者のメッセージなのでしょう →..ただ、一部、皮肉が利きすぎるところがあり 読んでいて 体が重くなるというか 心が重くなるというか そんな感じがすることもあります (これも、著者の計算の内だとは思いますが..) 著者のイジワルやイタズラに負けないよう 精神的に安定している時に読むことをお奨めします! →この本の英題は「slack」 辞書で調べたら「ゆとり」という言葉ではなく 「緩み」とか「たるみ」という言葉が出てきました ここらへんは訳者のセンスにかかってくると思いますが 私としては、いい日本語訳をあてはめたなと感じています..
原題の「Slack」は、ゆとりというよりもヒマな時間、何もしていない時間という、どちらかといえば否定的意味合いが強い言葉である。
ムダ時間はほんとうはムダなのではない、 実はムダ時間こそが真の生産性向上のために必要不可欠なのだ というのが本書の主張であるから、原題のスラックは反語的な表現であろう。 効率性を求めてスラックを削っていくとイレギュラーを吸収する隙間がなくなり、組織から柔軟性が失われて結果的に変化に弱い組織を作ってしまう。 一方、組織の変化は原理的にトップでもボトムでもなく中間管理層からしか生まれない。 従って、中間管理職が働きすぎていて、スラックが乏しい組織には未来はない。 と、だいたいこういう論旨である。 「ピープルウェア」と「デッドライン」では、開発チームの視点から組織の活性化というテーマを扱ったが、本書では、組織における中間管理職の役割を解明することがテーマのひとつでもある。他が比較的経験論的に書かれているのに比べ、本書は理論ベースで議論を展開している点も特徴的だ。 働きすぎている管理者はやるべきではないことをやっている。p81 なかなか耳の痛い指摘である。 中間管理層のプロジェクトマネージャには一読の価値がある。
実際にコスト削減を断行したことのある人には、心に響くだろう。
私もその一人だから。 管理者や改善コンサルには必須の著作だと感じる。 わたしとわたしのプロジェクトメンバーが経験したいろいろな矛盾を明快に教えてくれる。 デマルコが例に挙げているもののほとんどが実際にわたしにも起きたような気がするくらいだ。 ・数量はそれ自体が品質である。 ・働きすぎている管理者はやるべきことをやっていない。 ・はやく考えることはできない ・変化と成長。まず変化を受け入れることができてから成長することができる。 などなど、あげればきりがない知恵を教えてくれる。
トム・デマルコの本ゆとりの法則 − 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解
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