リハビリの本
東京へ この国へ リハの風を!―初台リハビリテーション病院からの発信
従来、リハビリは、病棟から患者をリハビリ室に移動させて、セラピストが行なうもので、病棟では、看護、介護のスタッフに留意点が伝達されるという形式であった。今後は、セラピストも病棟のスタッフの一員となり、患者をチームとして治療していく仕組みである回復期リハビリテーション病棟が、リハビリ医療の中心となっていく。リハビリ専門医だけではなく、臨床医のリハビリへの理解、参加が求められるようになってきている状況がよくわかった。「リハビリ医療の切捨て」と受けとめられている今回の診療報酬改訂だが、リハビリが、ますます重要になっていることを本書は指摘している。厚生労働省のお役人には、リハビリはきちんと重視していると明確なメッセージを臨床の現場に発信することを望みたいものだ。
まず強調したいのは、この本は初台リハビリテーション病院と石川誠医師の自慢話ではありません。医療(特にリハビリテーション医療)従事者の方、敬遠せずに読んでみましょう。得るものはたくさんあるはずです。
第1章は著者がリハビリテーションに関心を持った理由に始まり、脳外科医の石川医師がリハビリテーションの世界に入りそしてその風雲児となっていく過程が語られます。 第2章は脳出血を発病した浅野正美さんの入院から退院までの記録です。この2つの章でかなり充足感がありました。 第3章は石川医師らによる講演や講習の採録で大学の講義のようでちょっと退屈しました。 第4章は気になっていた浅野さんの退院後の生活から在宅生活でのリハビリテーションに対する石川医師らの取り組みが紹介されます。各事業所のリーダーシップをとっている医師・看護師の声が説得力があります。この著者らしい言葉も散見されます。210ページ’病気を発症し、予期せぬ障害を持ち、元通りの体にならないことで、リハへの依存度が高くなり、その結果「リハビリジプシー」になってしまっている人もいる’、212ページ’地域に訪問リハなどリハサービスの不足を感じていた私は、「始め」の部分がないことにだけ注目していたが、「終わり」もまた大切なのだと、あらためて知った’ここら辺を読者の方も是非わかって欲しい。 第5章、228ページからの石川医師・談「治癒しなくても、障害があっても生きていける社会を」に集約されます。これが本全体の主題でもあると思います。
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