これまで脳卒中患者に対する治療訓練は運動機能の改善がその中心的な目標となっていた。しかし,脊髄損傷後の四肢麻痺患者やRA等の重篤な運動機能障害患者に比較し,脳卒中後の片麻痺患者はその運動機能障害が軽度であるにもかかわらず日常生活の自立度が低いことから,著者は脳卒中患者の中心的問題は高次能機能障害であると考えた。そして,高次能機能障害に対する評価にとどまらず,具体的な訓練方法を開発し,多大な効果を上げている。多数の症例と文献的に裏づけられた内容はこれからの脳卒中の治療・訓練に必要不可欠なものであると思われる。PT/OTの学生は言うに及ばず臨床家にとって必読書と言える一冊である。