リハビリの本
新しいリハビリテーション―人間「復権」への挑戦 (講談社現代新書)
従来、リハビリテーションとは、不自由になった機能を回復させる「機能回復訓練」と考えられていました。私が受けてきたリハビリテーションもまさにそれでした。
以前入院していたリハビリテーション病院では、元通りの「健常者の体に戻ること」が目標とされ、画一的なスパルタ式訓練が繰り返されていました。しかし、障害はいつまでたっても元通りにはならない。よって入院は長期化する。そしていつの間にか、社会復帰するための訓練ではなく、訓練のための訓練になっていく。そんなリハビリの現場に非常に疑問を感じていました。 大川さんの生活に必要な活動の能力を向上させる「活動向上訓練」をリハビリテーションの基礎とするという考えは、私が感じた疑問に答えるものでした。これこそ患者が望むリハビリテーションの姿ではないでしょうか。 また、心の立ち直りをリハビリテーションの大きな課題と考えているところもすばらしいと思う。 本書にある通り、 「体に不自由があってもあなたの人間としての価値は決して損なわれていない」 と態度で接してもらえることは患者にとってとても大きな自信になります。 リハビリテーションをする人、受ける人はもちろん、その周囲の人たちにも読んでもらいたい本です。
脳卒中、脊髄損傷など身体機能障害が後遺症として残ってしまった場合、病院に入院中からリハビリテーションが始まる。本書は2001年にWHOが採択したICF(国際生活機能分類)が底流にあるリハビリテーションの流れ、考え方、捉え方があり、現場で働く者として漠然とそれらを捉えていたので大変参考になった。発症時、「運動麻痺がリハビリで治る」という言葉を希望にされる患者さん、家族の方がいらっしゃる一方で運動麻痺の原因病巣、程度で身体機能回復のための練習段階では様々な様相を呈することがある。本来のリハビリテーション、人間的復権を本書で幾例かの患者さんの例、著者の考えを通して紹介された生活レベル(活動)、人生レベル(参加)、生命(身体機能)レベルという観点があることを頭において現場にあたっていくことは患者さん、リハビリテーションの対象者さんの心の立ち直りにもきっとプラスになり、他の打開策が出てくると思われた。
リハビリテーションを受ける方、関係者諸氏におすすめしたい一冊です。
リハビリの本新しいリハビリテーション―人間「復権」への挑戦 (講談社現代新書)
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