イタリア食文化の本
トリノからバローロの丘へ―美食のピエモンテ州で途中下車!
タイトルに「美食の」とあったので、よくあるグルメ自慢の本かと期待しなかったのだが、これが、ピモンテとイタリア近代史を楽しいエピソードでわかりやすく書いた本で、一気に読み進んだ。著者の筆力と、食物から歴史・文学・映画と幅広い教養が、読み物として一級品の本に仕上がったと思う。せっかくきれいな写真なのだから、もっと大きくしてもよかったのではないだろうか。
いうまでもなく、イタリアは南北に長く地方ごとに食も文化も異なる国。従ってイタリアに詳しい人が、全ての州の文化に詳しいわけではない。著者の過去の著作2作はトスカーナを扱っておりトスカーナについては専門であるのだと思う。ただし本作を見る限り、ピエモンテについては専門外である印象をうけるのは否めない。オリンピックのタイミングにあわせて、通り一遍のピエモンテガイドを出したと思うのは、かんぐりすぎだろうか。。。
ピエモンテだけを取り扱った和書はほとんどないため、このエリアに興味をもった人が最初の一冊にざっと読むにはよいかもしれません。
きれいな本である。
様々なおいしそうな料理や菓子が紹介されている。ページの下部の余白にサムネイル程度の写真がのっているだけなのがおしまれる。美しそうな建築も紹介されているのだが、写真が小さすぎる!! 短い項目から成っているので気楽に読める。史実等のエピソードも充実している。 おさえた筆致のため、確認しに行こうかなと思わせる。もう少し書いてあると行く!となるのだが。 著者は日本で1952年に公開された映画をリバイバルで見たと謙遜されているが、著者の感性からするとリアルタイムで見ているにちがいない。「負け犬」生活半世紀と何度も卑下されている。ご長命からくる感覚は若い評者とは合わない。また、「負け犬」などという流行語を多用しているということは著者がこの本がロングセラーにはなりませんよと宣言しているようで悲しい。 P96にトリノの寿司が出てくるのだが、イタリアで生産されている米は粘りの無い長粒種なので寿司には向かないと思う。著者は外米を知っている年代なのでもっと詳しく調べてほしかった。
著者はイタリア・トスカーナ地方に詳しいようで、何冊かの著書があるが、今回はピエモンテ地方の本。丹念な取材と筆力によって、ガイドブック、また読み物としても奥が深い。もちろん、ベッドに持ち込んで寝酒(やっぱりグラッパやヴィンサントだろうか?)とともに楽しむのもいいが、イタリア(特にトリノなどのピエモンテ州)に旅行に行く人にはとりわけおすすめ。「地球の歩き方」だけでなく、この本を片手に旅行すると、旅も一層楽しく、深まるだろう。わずか1800円でカラーページも満載。ピエモンテに行く予定はないけれど読んで良かった一冊。(松本敏之)
イタリア食文化の本トリノからバローロの丘へ―美食のピエモンテ州で途中下車!
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