イタリア食文化の本
トルテリーニが食べたくて―イタリアの小さな台所紀行
この表紙が書店の店頭で目に入ったとき、正直こんなに面白い本とは思わなかった。
なぜ手にとったかといえば他の本とあまりにも違う雰囲気があったから。 ちょっと立ち読みしたらこれが!! 面白いの。 料理の本なのですが、まるで私小説のよう。 ひとことでいえば会社勤めの既婚女性がイタリアで2か月間、あちこちで料理修業をする。 それも誰に教わるかといえばホームステイ先の主人、その友人、有名な料理学校の有名老姉妹、美味しかったカフェの厨房、町で評判のレストラン、留学のきっかけとなった毎年滞在したホテルの厨房、なのです。ほぼ押しかけに近い。 著者は作家ではないし挿絵も素人なのにこの臨場感、描写力ったら。 ぐいぐいと引き込まれる。 現地の人とは言葉の壁もあるものの、美味しいものは万国共通の求心力で著者はイタリア人の陣地に入りこみ、料理し、味見し、お手伝いもし、こき使われたり、家族の愚痴をきかされたり。そして彼らの言葉やしぐさから言葉以上の暖かい交流をはたす。ここが、とても面白いところです。1つの料理に個性的な料理人と1つの物語があるのです。 一話完結のテレビドラマになりそうです。 出てくる料理もおいしそうだけど 出会いと別れのドラマにじんとしてしまいました。 絵も じっと見ていると個性豊かなイタリアの料理人たちが ほんとうにここでこうやって生活しているのだなと感じます。 きっと本当に経験した本人だから面白いんですね。
表紙だけ見るとちょっと近寄り難い感があるんですが(私だけ…?)とてもいい本でした。
少なくともイタリアの下町料理や、イタリア人の大らかさ等、とにかくイタリアに興味がある人には受けるのではないでしょうか? おっとりと、優しい感じで進む話の中には沢山のおいしそうな料理が出てきます。読んでいるだけで涎ものなのですが、大抵はちゃんとレシピが載っているのが嬉しい所。添えられたイラストも可愛いのです。 作者が直接ホームステイのような形でイタリア料理を学ぶので、イタリア人の生活感も知ることが出来ます。 美味しそうな文章に飢えている人には特にお薦めの本です。ご賞味あれ。
イタリア食文化の本トルテリーニが食べたくて―イタリアの小さな台所紀行
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