フィレンツェの本
フィレンツェの職人たち 単行本
職人たちへの尊敬のまなざしがあふれる好著。出会った職人たちの、好きな仕事へのこだわりや情熱、誇りが、紀行文の中に自然に語られている。「この仕事は好きです。華やかではないけれど私の人生の全てです。目立たない、しかし世間にとって大切な仕事だと思っています」。ブロンズ職人のマリネッリさんはそう語る。
心に残るのは、ポンテ・ベッキオの金細工職人であるキレッリさんの章。キレッリさんは、女性の考えていることを知るために、お店でも女性とよく話すことにしているという。「なぜ宝飾品があるかと考えると、それは女の人を愛するからでしょう。男が女を愛することから宝飾品は生まれたんです」とキレッリさん。著者は、「何だか宝飾品作りは到底イタリア人の男に適わないような気がしてきた」と結ぶ――人間にひたむきな愛情をそそぐ職人の心に打たれる。
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