フィレンツェの本
フィレンツェ―世界の都市と物語 (文春文庫)
フィレンツェについて書かれた入門書としては高階秀爾著「フィレンツェ〜初期ルネサンス美術の運命」(ISBN-13:978-4121001184)と双璧をなす入門書だと思う。
若桑さんの他の著書は文章が読みにくい本もあるが、本書はとても読みやすいです。 400ページを超える本文はボリューム満点。通史とガイドブックが上手く融合した内容で、ライターが片手間に書いた本と違い、美術史家としての研究と経験に基づいて書かれてあり読み応えがあります。本文以外も豊富な図版、年表、参考文献、索引など、とても充実した内容です。 ガイドブックでは物足りない人向けの一冊です。特に第9章はウフィツィ美術館に行く人は必読です。これを読めば館内をただ歩くだけの観光客から脱却できます。
題名の通り、フィレンツェの歴史がメインでとても詳しく書かれていることは確かです。
私はこの本を読む前に、他の本で、ある程度のイタリアの歴史をかいつまんで知ってから読んだので、7割は理解できましたが、フィレンツェ・特にメディチ家の歴史を何も知らずこの本を読むのは少し難しいと思います。既にある程度の歴史を知っている人には理解できるのではないかと思いました。良いところはメディチ家ばかりが中心となって話が進行していないので、大きな視点でフィレンツェを知ることができる事だと思います。
最も良心的なフィレンツェの都市案内書としてお奨めします。
もちろんメディチ家が記述の中心になるのは、やむを得ませんが、出来れば有名なルネッサンス時代のみならず、中世末期までのフィレンツェやメディチ家滅亡後の町の歴史に関しても、いま少し紙数を割いて欲しかったかと存知ます。何よりも読者が知りたいのは、そうした従来あまり焦点のあてられていなかった時代の出来事なのですから。 それはさておき、文庫版でこれほど懇切丁寧な本が読めるとは、たいそう喜ばしい次第であると言わざるを得ません。フィレンツェへ旅をする折りには、携帯するとよいでしょう。
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