細木数子の自伝の本
女の履歴書―愛・富・美への飛翔
今や押しも押されもせぬ占い界の大物となった細木が、50歳を機にそれまでの半生、すなわち実業家時代のことを振り返った本。副題の「愛・富・美への飛翔」は、今までがそうであったというよりはむしろ、これからそうありたいという願望と決意をあらわしたものである。そこに描かれている彼女の半生は、決して華々しい出来事ばかりではなく、むしろ、ドロドロとした闇の社会を生き抜いてきたというほうが正解だ。
前書きによると、内容の一部には、今も生存する当事者への配慮のため、意図的にフィクションが織り込まれているという。そして文体も、「私は」という一人称ではなく、「数子は」という三人称で統一されている。だからこの本は、「自叙伝」や「履歴書」ではなくむしろ、「自伝的小説」と呼ぶべきものだ。細木の師匠・安岡正篤師は細木に「生きているうちに自伝を出してはいけない、むしろ評価は歴史に委ねるべきだ」と諭したとのことだが、将来これが「正史」とされかねないか、心配である。 また、今や誰もが気になる、安岡師と寝食を共にした時期のことには、安岡師の遺族への配慮であろうか、この本ではほとんど触れられていない。それを目当てに買うと期待はずれに終わるので、それだけは要注意だ。
細木数子の自伝の本女の履歴書―愛・富・美への飛翔
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