チェコ旅行記・滞在記の本
チェコA to Z―+プラハ旅日記Real Czech
チェココルナは現在7円前後(2008年6月末現在)。この本が出たときに5円計算だったが、数年でますます強くなった通貨の一つである。
古い共産主義時代のチェコを知る人はその知識を披瀝しようとする傾向が強い。しかし、多くの人が待っていたのは、若い世代や歴史に疎い人間にとっても、チェコが身近で興味をもたせるような存在として眺める方法である。この本は生活に根ざし、旅人としての好奇心を満たす非常によい本。チェコもチェコ人も歴史の重みばかりを強調されるような本ではなく、こういった本がもつ素朴な視線を待っていたように思う。 政治や歴史について語り始めるとチェコの周辺は限りなく話題があり、そういったものはこれまでに専門家が著している。 そのかわりに一般の観光客が訪れるのに何のハードルもなくなった現在、よい案内になる一冊だと思う。
女性編集者二人が編み上げたチェコの旅日記。刊行は2006年12月。 食・文化・建築などなど、プラハならではの旅のエッセンスを詰め込んだ小品となっています。 1985年の冬、私は当時まだチェコスロバキアと呼ばれていた国の首都プラハを旅したことがあります。その前年に公開された映画「アマデウス」のロケ地に選ばれた、古い町並みがいまだに残り、なおかつビールが世界一うまい場所だとさんざん聞かされた末の独り旅でした。 真冬で雪まじりの天気の上、共産主義の暗い空気があたりに立ちこめているのは否定できず、やはり西側とは異なる雰囲気の中で旅の日々を過ごしたことを今でもよく記憶しています。 本書にはビロード革命を経て15年余の歳月が流れた後の現在のチェコが活写されています。私が見聞したプラハに比べれば、ずっと垢抜けた感じがして、あのとき感じた重苦しさは微塵も見られません。プラハは大きく変わったということでしょうか。 それでも私は自分の触れたプラハの記憶を本書のあちらこちらに見出していました。例えば古本屋の項目ではチェコの絵本のことが取り上げられています。私は親しい友人にチェコ語の絵本を買って帰った記憶を懐かしく思い返しました。 プラハ城内の小道で絵葉書を買ったことも思い出しました。113頁に写真掲載つきで紹介されている土産店が私も訪れたものなのかまでは定かではありませんが、あそこは当時、外国語といえばドイツ語しか通じなかったプラハ市内で唯一流暢な英語を話すおばあさんが店番をしていたことは鮮明に憶えているのです。 またビールについて本書は「30コルナ(約150円)くらいで飲める」(133頁)と記しています。22年前の私の旅日記には「大ジョッキ一杯2.5コルナ」とあります。この20年で物価は10倍以上になったということですか。 自分の若かりし頃を懐かしく思い出しながら頁を繰る読書でした。
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