スペイン旅行記・滞在記の本
星の旅人―スペイン「奥の細道」
綺麗な一直線の字の著者のサイン本、随分前に買って積読だったのを久しぶりに手にした。読売の夕刊「スペイン俳句巡礼」を楽しみに読んでいたので、再読と言うことになる。各章最初の俳句を読んで、後にどんな旅のハプニングが起こるのか楽しみながら予想するのであるが、俳句心がないのか、外れることが多い。
スペインには何回か行っているものの、北はサラマンカまでで、巡礼道には行けずじまいであるが、カルメンのホセに会うメリメの旅やセルバンテスのドン・キホーテ、それに、実際に旅して見た全く他のヨーロッパと違う厳しい風景や人々を思い出しながら、楽しく読ませてもらった。 興味深いのは、聖地巡礼への姿勢。「神、サンチャゴに向かって、わき目も振らず一心に歩く」友に対して、「時には、道端に咲いている野花に足を止め、跼み、花の声を聞くのも巡礼の一部。病んで立ち止まるのも巡礼」と言う黛。そのお陰で、色々な人々との素晴らしい出会いと想像も出来ないような豊かな経験をしながら苦しい旅を続ける作者の日記に幅が出ていて楽しい。 パウロ・コエーリョの「旅の巡礼」の触発されて、何か見えない大きな力に導かれてサンチャゴ巡礼に旅立った著者の旅日記、流石に俳人の目で、見えないものが見えてくる。旅の途中に、一種の瞑想状態に陥り葬り去った記憶の残片が蘇り、強い痛みを伴い、それが、恍惚に代わったと黛は言う。巡礼のことは分からないが、異国の旅の心の痛みは分かる様な気がする。 人々との出会いが素晴らしい詩情豊かなスペイン旅日記。
作者は徒歩でサンチャゴ巡礼を成し遂げた人物。その巡礼の旅模様がこの一冊に凝縮されています。
スペイン旅行記・滞在記の本星の旅人―スペイン「奥の細道」
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