ヨーロッパ旅行記・滞在記の本
東欧・旅の雑学ノート―腹立ちてやがて哀しき社会主義 (中公文庫)
1985年に海田書房から出た単行本『ぼくの旅のかたち』の改題・文庫化。
玉村氏は、1979年、33才の時に三ヶ月ほどかけて東欧を旅してまわった。そのとき付けていたノートをもとに執筆されたのが本書。 「旅の雑学ノート」とは題されているが、パリやロンドン篇とはちょっと異なる形式・内容だ。 訪れたのは、ユーゴスラヴィア、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、チェコスロヴァキア、東ドイツである。基本的には列車で移動して、気に入った町があればしばらく逗留してみる。そこで目にした町の人々、食べたもの、泊まったホテル。それらが著者に独特の切れ味とユーモアを持って描き出されるのだ。 いずれも共産圏の国々であり、監視されているようだったり、お役所仕事が甚だしかったり、物資がなかったり。いかにもという姿が見えてくる。しかし、その「共産圏」っぷりも、微妙に国ごとで違っている。そこを突いている玉村氏はさすが。 ファンでもファン以外でも楽しめる一冊だろう。
東欧で玉村サンが日々綴ったノートがそのまま活字になった、他の著書とは少し毛色の違う旅行記。
この本での玉村サンは全くスマートではない。毎日降りかかるトラブルに怒り、毒づき、フテくされ、そしてケンカをふっかけ…。 しかしそれがおもしろい。愚痴ってもボヤいても、なぜかおかしみがあって笑ってしまう。いつもの洗練されたエッセイも素敵だけど、こんな素の旅日記もいいなと思う。 それにしても各国のお料理、たまらなくおいしそうだ。
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