沢木耕太郎の本

世界は「使われなかった人生」であふれてる

 
2枚目の映画評論(2007/04/24)
沢木耕太郎の映画評論。
雑誌連載の映画評からの抜粋らしいが、掲載雑誌が暮らしの手帖ってだけあって映画評に分類され切れないエッセイになっている。
沢木耕太郎については「二枚目作家」と言う印象が強く、いや容姿の問題でなくその硬派なくせに色気のある文体がまさに死滅した「二枚目」を連想させるのだが、映画を語らせてもどこまでも二枚目である。
この二枚目臭さが強力な自己愛を感じさせて辟易するときもあるのだが、一気に読まなかったおかげでその毒気に当てられずに済んだようだ。
映画の紹介の仕方は思いっきりネタバレしている。
ここまで勢いよくネタバレしておきながら作者が孤高の観察家でいるため、あくまで沢木耕太郎のエッセイであって全然映画の宣伝になっていない。見ようと思えないのだ。透明な観察者であるはずの作者がその透明な位置を常に示しているためにそっちに意識が行ってしまって、観察対象が希薄になると言う沢木作品特有の状況になってます。
なんか沢木作品を読むたびに「テロルの決算」がベストだなぁと少し寂しくなってしまうのだった。
あれ?けなしてますか?なかなかいい本だと思ったんですが、ちっともそう感じない感想になってるなー。

やはり映画を語らせたら浜村淳の右に出るものはいない。
 
各項のタイトル付けが巧みで見事。それだけで拍手したくなる(2007/02/19)
みていない映画をあたかも見た気分にさせてくれるユニークで際立った映画評群です。

淀川長治氏とのENCOUNTERや吉永小百合とのエピソードなどをおりまぜ、談話風に
おもしろい話を読者に知らしめてくれる部分もあり、楽しい。
ワンダーランド駅で、をよむとこの映画から村上春樹はインスピレーションを得て
あの小説を書いたのかな、とか・・・
当方にとって一番印象的だったのはウイリアムハートのところ「薄暮の虚無」。
アクシデンタルツーリストの解説。全体、作家のエッセイとして非常に秀逸です。

映画ファンのみならず、「文章」または作品を読みたい人にオススメ。
 
ちょっと哲学的っす(2007/02/16)
映画好き・沢木さんが好き。
というわりに、こんな本を出していたなんて、知らなかったっす。
映画の評論だけど、抑え目の静かな文体。
映画も見て、さらに原作も読んでいて、ふたつの違いがわかっているとこ。
役者の人格と、演じた役の人格と、きっちり分析しているところ。
ただ、映画を紹介しているのとも違い、
個人的なこだわりで選んだわけでもない。
ミーハーなところもないし、エンターティメント的なところもない。
まして、「この映画見なさい!」みたいなところは一切なし。
でも、読んでいると、「しまった!この映画まだ見てない」と
あせって、見なくちゃ!と思ってしまいました。

映画の評論というより、映画に表現された「人生」についての
見かたの解説本。
それが「使われなかった人生」にダブってくる。
僕は、哲学的だと思いました。
 
映画好きには堪えられない(2005/08/25)
沢木耕太郎作品は、どういうわけか、これまで縁がなく、初めて読んだ。
この作品は、暮らしの手帖に連載されているエッセイの単行本化だそうで、映画についてのエッセイ集である。
単行本化する際に、順番はシャッフルしたのだと思うが、広くヒットした作品から、単館上映作品なども網羅していて、映画好きの私にはなかなか面白かった。
私にとって初めての沢木耕太郎は、叙情的な文章を書く人ね、というのが強い印象。絶賛するほどの思い入れもないかわり、飽きの来ないシンプルさ、みたいなものもあって、これを機会に他の作品も読んでみようか、と思っている。
 
沢木にまさる映画評論はあるか?(2004/07/20)
映画が好きだ。でも、年間映画館に足を運ぶ回数はせいぜい15回〜20回ていどだ。で、なにを見るか。私の場合、いわゆるハリウッドの大作系の映画はほとんどレンタルDVDかWOWWOWで済ませてしまう。監督、キャステンング、プロット、いろいろ、参考にするが、映画批評もなるべく見てる。しかし、大半の映画批評は、面白いのか、面白くないのか

ハッキリしないものが多い。映画評論を生業にしていると悪くは書きにくいものなのだろうが、こういう映画評論はつまらない。この人のものならと、いつも楽しんで読ませてもらっているのが沢木耕太郎氏のものだ。この本に収録されている作品含め、決してマイナーな作品ばかりを取り上げているわけではない。現時点でいうと、朝日新聞の夕刊に月一

回連載されている「銀の森へ」を一番の楽しみにしている。いつも、さすがと感心させられる。いうまでもなく、沢木氏は映画評論家ではない、基本的にはノンフィクション・ライターだ。映画批評でも、沢木氏独特な視点や分析に唸らせられる。それも訳も分からないような芸術としての映画批評ではなく、わかりやすく、説得力がある。だから、なにを見るかでも、見た映画でも沢木氏が書いた映画批評はなるべく読むようにしており、多くはコピーを取っている。そうしたもので本になったものは必ず買うようにしている。映画批評として面白いだけでなく、物事をどう見るか、それを簡潔にどう書くか、そんな意味でも参考にさせていただいている。サッカーなどの観戦記どうよう、映画鑑賞も沢木氏にとっては、ノンフィクションのひとつの作品なのだろう。とにかく、面白い。
 
世界は「使われなかった人生」であふれてる
タイトル:世界は「使われなかった人生」であふれてる
定価:\1,365
販売価格:\1,365
発売日:2001/11
著者:沢木 耕太郎
出版社:暮しの手帖社
形態:単行本
在庫状況:通常5〜7日以内に発送
合計1,500円以上で送料無料!
※ 価格等のデータは日本時間 2009/08/14 05:00:15 時点のものです。

沢木耕太郎の本

話題の本、ロングセラー特集



リンク

人気書籍・話題の本・ロングセラー特集特集
in association with amazon.co.jp