ローマ人の物語の本

ローマ人の物語〈10〉― すべての道はローマに通ず

 
技術者が1冊読むならこれ!(2009/05/07)
 米軍は兵站で勝つと言われるが、ローマ軍は土木で勝つのである。ローマ兵は全員が歩兵でもあり工兵でもあったのだ。軍が迅速に移動できるよう道と橋を造る。駐屯するための町を造る。上下水道を整備する。怪我や病気に対応するために病院や温泉を造る。娯楽のための闘技場や劇場を造る。攻城戦のための道具も造る。

 そして定年を迎えた兵たちは気心しれた軍団ごとに自分たちで町を造り、そこで妻を迎えて余生を過ごす。インフラ整備はお手の物である。財を成した者はインフラを整備またはメンテして記念碑を残すことがステータスでもあった。

 ローマ崩壊後のゲルマン人達はそんなインフラ整備は出来ない。だから今でもイタリアでは、この時代の道路がまだそのまま普通に使われているのである。巻末に大量に掲載されているローマ時代の遺跡の写真も美しく、一見の価値がある。
 
アッピウス・クラウディウス伝記(2005/10/23)
全15巻のローマ人の物語の中でも、インフラのみを取り上げた10巻は特異な巻である。
しかし、この巻にも人間の主役はいる。

アッピウス・クラウディウスである。

アッピウスは不世出の「天才」である。

 彼は、アッピア街道と呼ばれる最初のローマ街道を建設した。
 彼は、アッピア水道と呼ばれる最初のローマ水道を建設した。

 両者は大帝国の基盤となり、ローマ世界中に広がった。
 両者は19世紀に至るまで、世界最高水準の技術的地位を保ち続けた。
 両者は2000年の時代を超えて、今もなお残っている。

「天才」以外に何と呼べば良いのか。

この巻は、アッピウス・クラウディウスの天才を知り、打ちのめされるためにある。
 
延々とインフラ話だけなのに、そこは塩野七生、さすがです(2005/02/06)
 インフラ話だけでハードカバー一冊まるごとの分量をかけるだけあって、ボリューム感たっぷり。
 さすがに読むのは辛いと思っていたのですが、一気に読み切りました。
 一冊まるごと書けるだけあって、実にローマのインフラは興味深い。
 これこそ偉大な文明であり、遺産であろう。

 しかし読み終わった結論は……やっぱりユリウス・カエサルは偉大だったというものだったり。
 インフラという面においても、カエサルはまごうことなき天才でした。
 
何故、こんなに面白いのか?(2003/03/16)
ただ、ローマの道や水道などの話が書いてあるだけなので、何故、こんなに面白いのだろう?
それは、とっぴな例えかもしれないが、素晴らしいマラソンのレースを見ているかのような存在そのものの感動があるからかも知れない。
人ではなく、まさしくインフラが主人公の異色の1章。
 
百聞は一見にしかず(2002/06/06)
著者は前書きにて「戦闘の手に汗握る描写もない」し、2千年の歴史の中の世界全土を頭に入れておかなけれればならないし、で読むのに苦労するかもしれないと、あらかじめ公言している。
しかし、いざ読み始めると、案外他の巻より読みやすいのではないかとも思ってしまう。

歴史を俯瞰できる上に、ハードなインフラ(水道、道路)、ソフトなインフラ(医療、教育など)etc、ローマのローマたるゆえんが良くわかってとても面白い。
しかも、図版や写真がたくさん載っているので、ローマの歴史を肌で感じたい人には特にオススメです。
 
ローマ人の物語〈10〉― すべての道はローマに通ず
タイトル:ローマ人の物語〈10〉― すべての道はローマに通ず
定価:\3,150
販売価格:\3,150
発売日:2001/12/20
著者:塩野 七生
出版社:新潮社
形態:単行本
在庫状況:在庫あり。
合計1,500円以上で送料無料!
※ 価格等のデータは日本時間 2009/08/14 05:00:11 時点のものです。

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