ローマ人の物語の本

ローマ人の物語〈4〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以前

 
世界史上、最高の男(2009/05/07)
 ユリウス・カエサル、英語だとジュリアス・シーザーを描いた2部作の前半。カエサルに恋した著者が、この2部作を書くためにローマ人の物語全15巻を計画したのではないかと言われるほどだ。

 この巻では、カエサルの登場までのローマの殺伐とした情勢とカエサルの青年期の人気ぶりの記述が楽しい。男も女も魅了したカエサル。反逆罪に問われそうな雰囲気の元老員内でわざとラブレターを従者に出させ、それを見とがめた政敵が手紙を取り上げて証拠として読み上げる羽目になるよう仕向ける。全くもって人間を知り尽くした魅力あふれる腹黒いヤツである。

 後半は10年近くに及ぶガリア(現フランス)平定記である。詳細は本人の作によるガリア戦記に詳しいが、圧巻はやはりアレシア戦だろう。8万が立てこもる城を包囲するローマ軍。それをさらに20数万のガリア連合軍が取り囲む。カエサルは内側と外側に対するドーナツ状の防壁を作り、この戦いに5万の兵力で勝利しガリアをローマ領とする。

 しかし、この成功を快く思わない政敵に貶められ、ルビコン川を渡りローマに進軍するところでこの巻は終了する。男なら、このようなリーダーに率いられて闘いたいと思うのではないだろうか。
 
住んだ。惚れた。書いた。(2009/03/04)
ローマ人の物語全15巻中、もっともエキサイティング、もっともエンタテイメント性に富み、塩野さんもノリにノっていた気がするのが、カエサルを扱った2巻だったように思います。
全15巻中(ローマ全史)の2巻を、100年にも満たない一人の人物の生涯に充てたのですから、塩野さんの惚れ込みようも、知れようというものです。

実際、少なくとも300年生きた以上の仕事をした人だったと思います。皇帝の語源となった人であるのに、およそ居丈高な雰囲気からはほど遠く、寛容をその政治指針とした人。その寛容の精神が、いかに彼の血肌に浸透し、生活規範となり、行動原則となっていたかは、彼の遺文、
「私が自由にした人々が再び私に剣を向けることになるとしても、そのようなことには心をわずらわせたくない。何ものにもまして私が自分自身に課しているのは、自らの考えに忠実に生きることである。だから、他の人々もそうあって当然と思っている。」
に、顕著に表れているように思います。

過去と現在、ローマ、日本、世界と、その著書の中を縦横無尽に駆け廻り、
時代を、人を、政治を、哲学を、戦略を、戦術を語る塩野さんには、ただただ感服し、ひたすら敬服するのみです。09008
 
ついに、ユリウス・カエサル登場(2007/12/15)
B.C.100からB.C.50年の歴史。カエサルの人生の前半が中心に描かれています。いろいろなエピソードが載っています。後半は、有名なガリア戦役が舞台です。
カエサルがB.C.100年の7月12日に生まれたのは、ローマの中心近く、「スブッラ地区」です。
カエサルは、その時代の借金王です。読書、友人付き合い、愛人へのプレゼント、そして公共事業のために大量のお金を使ったそうです。自分の資産を増やす事には使わなかったそうです。
こんな凄い人が実存したことを知り、その生き様を細かく知る事ができます。人生に大きな志を立てている人が読むといいと思います。
 
見たくないものまで見えていた目(2005/03/22)
 カエサル登場という、シリーズを通して私が最も期待していた上下2巻がこの作品。塩野さんの歴史に対する真摯な姿勢と豊かなイマジネーションが結集されたクライマックスとして、期待通りの読み応えがありました。

 たった一人の男の想像力と行動力が「パクス・ロマーナ」への道を開く。その視野の広さは、カエサルの、自己も含めた徹底した人間洞察力がなせる離れ業だった……。カエサルのカエサルたるゆえんが納得できる名著です。

 人は自分が見たいと思うことしか見ない……。大いに反省させられる言葉ですが、カエサルと凡人との違いを決定付けるこの「眼力」の違いに着目し、軸足を動かさずにカエサルに肉薄しようとする塩野さんの決意のほどが伝わって来ました。

 教育熱心な母アウレリア、息をのむような戦いを通じカエサルも一目を置いたガリアの英雄ヴェルチンジェトリクス、おそらく主義の違いを超えて人間の大きさに嫉妬したであろうキケロ。登場人物の一人一人が古代ローマという舞台で、生き生きと人生を演じる息吹が感じられます。
 
「ここを渡れば国の破滅、しかし、渡らねば私の破滅だ」…ルビコンにて(2004/08/16)
ローマ人の物語、文庫化してから買おう…と思っていたのですが、
どうにもこうにも「勝者の混迷」以降の文庫化が進んでくれないので、(近日されたようですが、遅い!)とうとうハードを買いました。

しかし、買って悔いナシです。

二冊あわせると広辞苑ばりの厚さになるのですが、上下巻一気でした。クロス・ザ・ルビコンで切られたら止まれません!

カエサルという男の魅力と、
もちろん彼の行動の政治的意図も絡め、
塩野流に描き出す、怒涛のローマ世界。
混迷の時代を超え、安定までもう少し…という、一番不安定な時期のローマに現れた英雄、どうしてこんなに有名なのか気になる人も、これを読めば納得。
男も女も魅了されたローマ人のなかのローマ人、いい男です。
 
ローマ人の物語〈4〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以前
タイトル:ローマ人の物語〈4〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以前
定価:\3,255
販売価格:\3,255
発売日:1995/09
著者:塩野 七生
出版社:新潮社
形態:単行本
在庫状況:在庫あり。
合計1,500円以上で送料無料!
※ 価格等のデータは日本時間 2009/08/14 05:00:11 時点のものです。

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