ローマ人の物語の本

ローマ人の物語〈2〉― ハンニバル戦記

 
スピキオvsハンニバル〜両雄激突〜(2009/07/20)
 塩野氏の作品【ローマから日本が見える】…ここで【ローマ人の物語U ハンニバル戦記】の存在を知り購入。ハンニバルの戦略によりローマは苦戦を強いられるが、スピキオの登場、又、執政官就任により戦況は変化。ハンニバルという個人の力に頼るカルタゴ。スピキオを中心に組織力で勝負に出るローマ。個人vs組織でもあり、ハンニバルvsローマといわれる所以である。戦略家ハンニバル。そのハンニバルを見て育った…スピキオ。敵同士ながらも師弟関係の要素も含んでおり(塩野氏曰く)、見どころ満載である。
 
祖国を守るとは(2009/05/07)
 イタリア半島をほぼ手中に収めたローマが、地中海の覇者カルタゴを倒すまでを描いた第2巻である。大きく分ければ、シチリア島の覇権を争った第1次ポエニ戦役、父の汚名をそそぐために今のスペインを地盤としたハンニバルがローマに攻め込んだ第2次ポエニ戦役、そしてカルタゴが滅亡する第3次ポエニ戦役になる。

 なんと言っても圧巻はハンニバルがイタリア半島に攻め入り、ローマ軍団を散々に打ち破る第2次ポエニ戦役である。天才ハンニバルはイタリア半島の南半分を占領し、数年間耐えるのだが、本国カルタゴが全く援軍を出さない。祖国を思う者を大事にしなくていいのかカルタゴ!

 やがて耐えに耐えたローマはハンニバルの戦術を自分たちのものとする。また、ローマにも天才スキピオが現れる。スキピオはハンニバルを直接攻撃せずに、カルタゴを襲う。ここに至ってカルタゴはハンニバルを本国防衛に当たらせるが、時既に遅し。ザマの地で一敗血にまみれたカルタゴは、やがて市民全員が殺される羽目になる。

 戦闘の記述が多いが、とにかく図面が豊富で戦術が理解しやすい。説明も丁寧なので、読者はあっという間に2000年以上前のローマ世界に取り込まれること請け合いである。
 
いよいよ歴史が動き出す!!(2009/01/27)
著者本人の『歴史は人が作る』という言葉を借りれば、
いよいよ本書第2巻からワサワサと人が動き出し、
歴史を作り出してゆく大動脈のようなものが感じられる。

これはもちろん、膨大な資料を精読した上での著者が、
読者の情感に訴える術を駆使して、
大変興味深いものに仕上げているのもあるのだが、
登場する人物がこの時代だけでなく、
現在までを含めた中での超スーパースターだから、
申し分なく面白いし、
歴史の喜怒哀楽を体験できる。

戦国武将などがかすんで見えるくらいにどでかいドラマティックさで、
ページをめくる手が止まらない。

ハンニバル、スキピオだけでなく、
数多くの英傑たちが創り上げてきた地中海世界。
歴史の息吹を感じられずにはいられない。

現在社会を生きる上でのヒントも所々にちりばめられていて、
まさに歴史は人が作るの真骨頂である!!

素晴らしかった!!
 
最高に面白く魅力的な教本である(2007/01/15)
古代ローマが好きな人にとって非常に面白い読み物です。カンネ、ザマに代表されるの会戦スペクタクルを堪能できるは言うに及ばず、ローマ内外の基本的な政治政策、つまりローマ市民と同盟都市(国)・属州の人々との権利・義務の違いは押えておかなければいけない大きなポイントであった。戦後の講和条約はこの理念に基づいており、パックスロマーナは決してローマ人の利益を優先したわけではないということだ。また、ローマは他国の優れた文化、芸術を尊重しており、ローマ人の言語であるラテン語を他の民族に強いることをしないばかりか、ギリシャ語とのバイリンガルに努めたのである。時代は紀元前3世紀半ばから100年の話、散散にローマを悩ませた”ハンニバル”であったが、結果的にローマに戦略を伝授し、スキピオとその後に続く執政官をして領土拡大に貢献せしめたこととなった。個個の登場人物の性格と功績を織り交ぜながら、”戦争は起こるのが諦観”であった時代の国々の繁栄と没落のお話は進むのである。
 
ローマ人を通じて人間を考察しているという意味で人間学の本です。(2006/02/04)
 イタリア半島を統一したローマ人は、地中海の強国・カルタゴと長期に渡る戦争に突入します。ポエニ戦役ですが、第一次と第二次とでは随分と内容が異なります。特に第二次ポエニ戦争はカルタゴの将・ハンニバルの独壇場です。本書のタイトルが「ハンニバル戦記」であることも十分に頷けます。

 本書の帯には「戦争は、ありとあらゆる人間の所行を際立たせる」とありますが、読後に改めてこの言葉を考えさせられました。第一・二次ポエニ戦役には60数年を費やすのですが、塩野女史の筆によるその間のローマ、カルタゴの姿は一読の価値があります。その姿は時に現代の我々の姿に重なります。そのため、古代の英雄に対する塩野女史の指摘が目を開かせることが多々あります。

 「天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである(P.173)」・・・マケドニアのアレクサンダーは騎兵に着目し、当時の戦術を覆しました。あぶみが発明される前ですから、物凄いことです。

 「年齢が、頑固にするのではない。成功が、頑固にする(P.267)」・・・ハンニバルと並ぶローマの名将スキピオがハンニバルの本拠地・スペインへの派兵とその指揮権を求めた際のファビウス・マクシマスへの評です。成功者となった老人は好々爺になるのは難しいかもしれません。

 「優れたリーダーとは、優秀な才能によって人々を率いていくだけの人間ではない。率いられていく人々に、自分たちがいなくては、と思わせることに成功した人でもある(P.286)」・・・第二次ポエニ戦役中、16年間もハンニバルに兵たちは従いました。カルタゴ軍の兵(ガリアの傭兵は除く)はその間、故郷に帰れなかったのですから、ハンニバルがどういうリーダーだったかは非常に気になります。
 
ローマ人の物語〈2〉― ハンニバル戦記
タイトル:ローマ人の物語〈2〉― ハンニバル戦記
定価:\2,940
販売価格:\2,940
発売日:1993/08
著者:塩野 七生
出版社:新潮社
在庫状況:在庫あり。
合計1,500円以上で送料無料!
※ 価格等のデータは日本時間 2009/08/14 05:00:11 時点のものです。

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