沢木耕太郎の本
深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
19歳の時、この本を読んだ。
僕も26歳になったら旅に出よう、と思った。 26歳になった。深夜特急はしょせん夢だった。僕は現実の世界に生きていた。 29歳、もし明日死ぬとしたら何がしたい、と自分に問いかけた。 そして僕は、香港へと旅立った。
これを読むのは10代でないといけない。もしくは25歳までに読まなければいけない。
旅の静けさ、熱気、胸の高鳴り。すべて私は感じてしまう。活字を追っているだけなのに。進むにつれてそれは徐々に薄くなるのだが、それでも私の心ははるか遠くのシルクロードにあるのだ。これを読むと必ず旅に出たくなるだろう。私はこのような刺激に遠ざかっていたし、それを求めていたのかもしれない。私が26歳になったときには、興奮の醒めない旅へ出たい。
私が海外に行ったのは、ほぼ沢木さんの書いている内容とかぶっていた。
21でシンガポール・25で韓国。ここまではパッケージツアーだった。 そして29で、中国は珠海(マカオの隣の、中国の町です)に渡り、そこで暮らした。 それまでの2国は、まぁフツーに歩いただけだったけど、 国境一つ越えたとこにある香港とマカオは、「深夜特急」以上に刺激的だった。 この本を読むたびに、口にするのはおこがましいが、私と沢木さんは見事に同じようなことをやっていた。 「香港はエネルギーがいる」だけど、その刺激がたまらなく、いい。 私はその熱気にやられた旅人。いや、珠海住み着いたから旅人じゃなかったんだけど。 そこで女に恋し、熱い思いもした。 いつも、ビクトリアピークは美しかった。 ジャッキー・チェンの手形は、意外と小さかったのも知った。 マカオの海の匂いは泥臭く、香港は潮くさかった 読んでいると、出てくる情景は自分の旅だった。
オリジナルは1968年5月リリースの『深夜特急 第一便』。本書はその前半部分を文庫化したもので、1994年3月25日リリース。文庫化の巻末には『香港』で名高い山口文憲氏との『出発の年齢』と題する1993年11月に実施された対談が加えられている。
本書は正に『流浪願望を焚きつける魔書』と言えるだろう。日々凡々と繰り返しで変化無い日常を過ごしている人間に、何故旅に出ないのか、という無言の力を放っている。おそらくは複数の人間は日常を切り上げ、旅立つことをしてしまっただろう。生きている、というのはそういうことではないか、と思える。 本巻では主に香港・マカオが描かれているが、無計画な体験が外連味無く、瑞々しく描かれ本当にステキだ。特に『大小』に魅入られていく姿と、取り巻く人々に『人』そのものを感じてしまう。何度でも読み返してしまいそうな唯一無二の作品である。
社会人1年目の頃に読みました。
で、猛烈にこんな旅をしたくなるのですが、まぁこんな旅をしたくとも、女子の海外一人旅はちと厳しいってところもありますし、会社入っていきなりやめるわけにもいかず、時すでに遅しで、憧れだけが募りました。 会社を辞めて旅へ出る行くほどの勇気もないので、以来せっせと夏休みを利用して旅行を続けています。 できれば、今現在学生さんの人に、是非読んで欲しい本です。
沢木耕太郎の本深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
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