沢木耕太郎の本

一瞬の夏 (下) (新潮文庫)

 
沢木耕太郎ノンフィクションの原点(2004/09/19)
4年に一度のアテネオリンピックの熱も残暑のように続く9月である。わずかな時間に発揮される凝縮されたエネルギーの発露がオリンピックやスポーツ観戦の醍醐味と思う。本書は一度は引退したボクサ―カシアス内藤の復活の中で見せる人間の弱さと強さそして、著者沢木が復帰支援にのめりこんで試合のコーディネーターにまで関わっていく様子に、おもわず、この二人を自分の事のように手に汗を握る。沢木さんが映画評論からスポーツライターまで手がける原点がこの本にあると感じる。
 
最後の最後で(2004/09/15)
最後を読んで、やっぱりこれはノンフィクションだと感じた。売れる物語を書くんならこんな結末は思いつきもしないだろう。
 
苦い苦い結末(2004/07/21)
スポーツは(野球?)筋書きのないドラマとはよくいいますが
本書ほど、期待を裏切った書物もないのでしょうか。

小説なら、カシアスは勝利をおさめ、否、負けたとしても素晴らしい見所を
作って美しく去って行くでしょう。でも、これは実話です。
予定調和すらないこの悲しい消化不良な結末。

読後、その人生に不安を抱かせる脇役たちも実在の人物なのです。

最後、これが小説であったなら・・と逆におもった私ですが。
その後ネットで検索して(こんな行動を私にさせること自体が、本書の読み物としての価値を十分説明してくれるでしょう)、カシアス氏の近況、そしてそれまでにおこった
事件について知った時の何とも言いようのない苦い満足。
 
下巻こそ読まねば(2004/05/10)
解説では本作品を「私ノンフィクション」と評している。なるほど、一人称の小説を読むような興奮を覚える。この手法の利点を生かして、登場する人々、とりわけ沢木氏自身の心理的な動きが微細に描かれている。そういう手法的な成功もさることながら、読んでいてもっとも琴線に触れたのは、カシアス内藤の生き方だ。自他ともに認める才能がある。本気を出せばチャンピオンになる可能性がある。しかし、あるいは才能に溺れ、あるいは方向性に疑問を感じ、あるいは普通の生活に魅力を感じる。だけど結局はそのすべてをひっくるめて、目標に向かってなりふりかまわず突き進むことができない、つまり「才能」が足りないことが、哀しいほど切実に浮かび上がる。世間的な評価と自己満足の狭間でゆれ続けるカシアス内藤の生き様は、ボクシングにかぎらず、なにかひとつのことを極めようとする者の自信と不安の入り混じった複雑な感情を刺激する。そうした思いを去来させる、下巻がよい。
 
一瞬の夏 (下) (新潮文庫)
タイトル:一瞬の夏 (下) (新潮文庫)
定価:\580
販売価格:\580
発売日:1984/01
著者:沢木 耕太郎
出版社:新潮社
形態:文庫
在庫状況:在庫あり。
合計1,500円以上で送料無料!
※ 価格等のデータは日本時間 2009/08/14 05:00:15 時点のものです。

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