岩明 均の本
七夕の国 (4)
私の中で七夕の国というタイトルは今まで読んだどのマンガよりも好きなタイトルです。始めは、ん?変なタイトルだな、としか思ってなかったのですが、物語を全部読んだときに(ラストシーンを読んで)そうか、そういう捉え方があったんだな、とはっとしてしまいました。
誰かを信じて待ち続けることや、会いに行くことは簡単なようですが、時としてとても難しいものです。幸子ちゃんは南丸と出会ったことで、希望よりも辛いことや嫌なことが多い、この世界で生きていくことを決めます。そのわずかな希望をつないでいくことを彼女は選んだのです。 南丸が幸子ちゃんの心に橋を渡したように、私たちにも私たちを取り囲むたくさんの人にも、心のもやもやを飛び越えてかかる橋が無数にあるんじゃないでしょうか。だからきっと世界中どこでも、七夕の国はあるのです。 本当に心を動かされるマンガなのでぜひ読んでみてください。
私は作者の漫画が大好きで、出てるのは全部持ってるが、これは奇声獣と対を成している作品です。
作者の「死」の描き方は、冨樫みたいに二次餓鬼受けな過激さを帯びていないし、何より、伏線の貼り方が秀逸。 この巻で、「カササギ・・・?」という台詞だけに使われている1頁がありますが、感動しました、私は!その頁に!《鳥肌》 はっきり言って、よくある面白いSM・・・SF映画と構造は似ている気もするが、まあ飛び抜けて素晴らしい作品です. 虐待され続けてきた兄が死に、妹である少女(ヒロイン)が、 「うぉおおおおおおおお!」 という悲哀と動揺と錯乱に満ちた奇声を吐きますが、 こんな素晴らしい表現、少年漫画で神格化されとるあの休載大王に出来ますかね? 岩明さんはヒストリエでもそうなのですが、「死」を全く別の観点から認識していると。寄生獣は「流星からの物体X」的なスプラッタも多かったが、やはり徐々に「死」の描き方が特殊化してくると。 今の漫画界でこれ程独創的に「人の命が消える瞬間」を描くことのできる人がいるのだろうか。多分秘訣は、「ミギー的な死の認識」であろう。
岩明さんの漫画は骨の音からチェックして読んでいるんですけど、根底に流れる空気というか雰囲気がとても好きです。
この七夕の国は寄生獣を読んで買われた方には違和感があるかもしれませんが、紛れもなく岩明テイスト満載です。 普通じゃない人達、普通の人達、その中間に立つ主人公。 普通である事の良さ、悪さを知りつつも中間に立って仲直りをすすめる主人公。 必ず共存できるはずだ! という理想を持ち、そのまま行動する。 世界も取れそうな力を持ちながら普通の生活を望む主人公がとても好きです。
日本のある寒村に受け継がれる超能力をめぐる、伝奇SF作品です。
次第に超常的な能力を発現させるようになる頼之。ついに明かされる、その真の目的。 七夕をめぐる謎など全ての伏線がここに明らかになる。 その設定の緻密さに感嘆し、何度も読み返したくなる。 伝奇とSFの融合による傑作の最終章。
岩明 均の本七夕の国 (4)
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