春江 一也の本

プラハの春〈下〉 (集英社文庫)

 
映画化、あるいは連ドラ化 を期待したい作品(2008/05/04)
随分前だったが、松本零士の『わが青春のアルカディア』というアニメ映画があった。
「こちら自由アルカディアの声」と地下放送で市民に訴えるレジスタンスの女性が、立ち去った後に必ず薔薇の花を一輪置かれていた… っていう設定、このプラハの春のカテリーナを彷彿とさせてしまった。
 事実を下敷きにしたフィクションとのことだが、あまりのリアリティーに つい現実の話だと信じ込んで読んでいる自分がいた。 また「善玉」と「悪玉」とがクッキリと色分けして描かれているあたり、作者の読者に対する心理誘導の手腕は 舌を巻くくらいの素晴らしさである。 このような感動的で素晴らしい作品なのに、映画化されないのが不思議。やはり現実の登場人物(の悪玉役)に気を使っているのだろうか? ただ実際映画化されて 猫も杓子も観るようになったら、「チベット問題」の「セブン・イヤーズ・イン・チベット」みたいな位置づけになるのだろうか?
 とにかく読み終えてすぐに、続編「ベルリンの秋」を買ってしまった。
 
何度読み返したことでしょう(2005/01/19)
冷戦の象徴といえば、スターリン、ブレジネフ、ケネディ、キューバ危機、ベトナムや朝鮮戦争などを思い浮かべますが、プラハの春もその1つでしょう。 この作品は著者が外交官としてプラハの春の時代からソヴィエト侵攻を実際に経験し、その侵攻の状況を日本に打電した事実に基づいた自伝的著書であるため、ただのフィクションに収まらず、作品全体に重厚感と格調高さが感じられます。
鬱蒼とした時代を背景に、日本人外交官・亮介と東独の反体制派女性・カテリーナの悲恋が臨場感たっぷりと描かれ、読み手をぐいぐいと作品に引き込んでいきます。
ラブロマンスという紹介のされ方もありますが、その言葉でくくってしまうにはあまりにももったいない気がします。何度でも読み返したくなる逸品です。
 
これは本物だ(2003/03/28)
この物語は、著者の実体験に基づいており、1ページ目からぐいぐい引き込まれていく。東西冷戦当時の東欧は、日本からはもっとも離れた世界のひとつであったが、大きな歴史のうねりの中でのチェコスロバキアの人々と日本の若き外交官の生き様が真摯に伝わってくる。このような緊迫した情勢の中での恋物語に、大人気なくはらはら、ドキドキ。主人公と一緒に喜び、そして泣くことが出来た。これは本物の小説だ。読後、チェコという国への親近感が高まり、著者がこの国に対して第2の祖国とも言うべき絶対的な愛情を持っていることがうかがえる。それにしても、祖国を愛し、任地を愛して仕事をする本物の外交官はもういなくなってしまったのか。最近の外務省の体たらくを見ていると心寒いばかりである。
 
原作は読まなかったが(2002/11/15)
 原作は読みませんでしたが、宝塚で観劇してすごく感動しました。
 禁じられた恋と知らずに愛し合う外交官と反体制活動家。カテリーナを執拗に追いつづけるヘス中佐の異常ぶり。ソ連兵から銃を突きつけられる場面。
 本当に権力の悪用がこんなにも人を狂わせるのか、と思いました。
 
激動のプラハを男と女の国境を超えた愛を通して描く(2001/03/14)
ヨーロッパではあまり目立たないチェコ共和国。しかし、実際は歴史の波に翻弄されながら強く生きてきた国に他ならない。チェコスロバキアは常に社会主義、粛清、ロシアの軍事介入、迫害など常に何者かに支配されてきた。その中でチェコ国民は自らその運命を切り開こうとしてきた。プラハの春。それはチェコ国民が世界に示した確固たる意思だった。

この本は日本人青年とチェコの女性との愛を通して激動の時代のチェコ・プラハを描く。百塔の街と呼ばれるヨーロッパでも屈指の美しい町並みに人々が必死で生きようとする姿が重なり、読み終わったときには重厚なチェコの歴史を感じながらも爽やかな感慨にふけった。

チェコスロバキアが分裂し、チェコとスロバキアという新たな道を歩み出した今も彼らの心の火は消えることはないだろう。
 
プラハの春〈下〉 (集英社文庫)
タイトル:プラハの春〈下〉 (集英社文庫)
定価:\720
販売価格:\720
発売日:2000/03
著者:春江 一也
出版社:集英社
形態:文庫
在庫状況:在庫あり。
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※ 価格等のデータは日本時間 2009/08/14 05:00:12 時点のものです。

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