岩明 均の本
寄生獣―完全版 (4) (アフタヌーンKCDX (1681))
自身滅多に漫画は読まないけど、そんな中でも数少ない充実した漫画でした。
最初から、すっとその世界に入り込んでしまい抜け出せ無くなった。恐怖が前面に出してる漫画といえばそれで収まるが、そのための著者の描写の仕方も上手いと感じる。例えば表面上からは「寄生」「人間」の区別はつかないが、表情の無さから薄々と感じてしまう恐怖感。或いは、道の曲がり角から恐怖の影が近づくのがみえたり、「人食」する音が遠くから響くETC... その他、中盤からの主人公の表情の変化など。微妙な変化も心の響く(なんで変わったかは読んでのおたのしみ)。主人公の表情の変化の原因も知ると泣けますよ。 恐怖だけじゃなく、要所要所の人間描写も心を揺さぶります。 本書においては私の場合、特に田???(田宮)やミギーの最後の結末が衝撃でした。両者とも登場時は「冷徹の生き物」と思ってましたが、話が最後に向かうにつれ、同情すら感じてしまうようになりました。 悪を確実な悪と捉えないように疑問視させる事を著者は望んでいたのかもしれない。別に環境をテーマにした漫画ではないけど、環境破壊をした人間が善と軽く決め付けるような事をするな、と著者は言いたいのだろうか? 思うが、漫画というのは上手く「絵」を書くだけでは当然売れない、良い「シナリオ」が書けて初めて「漫画」になる。 良く年輩の世代は漫画を小ばかにするが「絵」「漫画」両立させるこの漫画は凄いと思う。
バイオレンスとスプラッタに満ちあふれた作品である。しかし、それは
この作品に反社会性を付与ものではない。現実の人類は滅ぶべき醜い心 を持つ存在であり、寄生獣の方がピュアで美しいのである。いっそ寄生 獣によりこの醜い生物種が滅亡してくれないだろうかという幻想と願望 を抱くのである。如何なる年齢層にも自信をもって勧められる名作であ る。一時期愚かなるPTAのクズどもがこの名作を書店の棚から一掃し ようとしていたようだが、このたび完全版が刊行され、再び入手容易と なったのは無上の喜びである。第5巻まで既に所有しているが、第6巻 以降も購入しようと計画している。
岩明 均の本寄生獣―完全版 (4) (アフタヌーンKCDX (1681))
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