ブラックジャックによろしくの本
ブラックジャックによろしく (10) (モーニングKC (989))
統合失調症で入院中の小沢が
同じ病気で入院している女性に恋をした。 患者同士の恋愛はいいのかどうか。 「患者は病院に飼われた羊でもなければ 社会に出すと危険な狼でもありません」 でも、そう思ってしまう人間は確実にいるんです。 差別や偏見はすぐには消えないだろう。 それに同情はしてほしくない。してはいけない。 1度もあの空間に足を踏み入れたことない人に 好意だろうと勝手なこと言ってほしくない。 作品中、新聞社の中でマルセー(精神病患者)についての記事は表現に注意するようにっていう件があるんだけど 偏見を増長させるようなことを書いちゃダメ 人権にうるさい人たちの感情を煽るような表現はダメ マスコミは真実を伝えるのが仕事。 売るために書くわけじゃない。 でも書いたものが売れなくちゃ仕事にならない。 医者も新聞記者も患者もみんなたいへん。 それは世の中にいろんな人がいるから。
弟9巻からの【精神科編】。
この巻は物語が急展開して、これまでのクサい演出と相まって、酒飲んで読んだら、やたらと涙が出てきて困った。なんと、冒頭近くで患者の早川さんが「妖精はね・・・・皆が信じてくれないと生きていけないの・・・」と呟くシーンでもう感涙!登場人物の決め台詞やショットの構図などまるで歌舞伎調。冷静そうに見えた坂本龍一似の精神科医伊勢谷先生も今回は熱くなってきた!さあ面白くなってきたぞ!
9巻では結構まじめに書いているなと思っていましたが、ついに触法患者の問題が登場します。患者の傍らでの視点(あえて患者の目線とは言いません)を保ちながら、メディア、ひいては大衆へも批判を向けます。特にメディアへも批判を向けたことは私が想像する以上に大変なことではないでしょうか。出版もメディアですからある意味自己批判です。
病棟と治療のディテールは古すぎるところもあります(大学病院の病棟は病床数が少ないので開放病棟のみのところが多く、統合失調症の患者さんは少ないです。厚労省の指導で平均入院日数は30日です。超えると看護師の数が削られます。)が、全体としては多くの人に読んでほしい一冊です。精神科を扱った本の中では実は日本一多くの人の目に触れており、もっとも影響力の強い本かもしれません。 ところで斉藤先生は以前より常識的なっている様に見えるのは気のせいでしょうか。
テレビワイドショーの「医療特集」といった類の企画を観たことはあるでしょうか?
やたらと取材対象者の「泣き」や「苦労話」といった下世話なポイントをクローズ アップ、大げさであからさまに泣かせを意識したBGM、多げなな音響、ネガポジ 反転などの大仰なエフェクトの多用といった、「いかにもワイドショー」な内容です。 問題の本質よりも、「ああ、この人かわいそうねえ」とリアルメロドラマに同情して 楽しむという、非常にワイドショーらしい「優しい外面をして真意はエグい」方針で 編集されています。最後はコメンテーターが「かわいそうですねえ。お医者さんに も考えて欲しいですねえ」と無責任な投げっぱなし問題提起をして終了。 どうにも観ていて胸が悪くなるような代物なのですが、この漫画に対しては、それ と同じ印象を抱きました。むしろ、こちらの方は「一見、下世話では無いかの様な 風を装っている」分だけ、嫌悪感は強い。 下世話なものもかまわずバリバリと咀嚼できるたくましいおばさんがターゲットの ワイドショーと、「いや、俺は現代の医療問題について考察を深めようと思って」と、 何かご立派なお題目を用意してあげないと下世話な興味も満たせないおじさん ターゲットの成年誌の差でしょうか。そう考えると、この漫画は「お父さんのため のワイドショー講座 医療ネタ限定版」と言えるかも。 ただ、主婦の皆さんに、ワイドショーの政治コーナーだけで知識を得て政治を 語って欲しくないのと同様に、この漫画で得た知識で現実の医療を語るような 愚は、おじさん達には犯して欲しくないと思うのでありました。
患者は、自分の病気を少しでも楽にしてもらいたくて医者に頼ります。患者の症状を見ない、思いやりのない治療(マニュアル重視、売上重視な治療)を行う医者が横行するなかで、医者の本当の義務は何かを真剣に悩み、本気で患者を思いやる主人公の行動には心を打たれます。私もこの主人公のように馬鹿がつくほど患者を思える医療従事者になりたい。
毎日適当に治療に当たっている医者に是非読んで頂きたい。
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