ブラックジャックによろしくの本
ブラックジャックによろしく (7) (モーニングKC (917))
5巻〜8巻のテーマは、治せない病気「ガン」。
ガン患者にどのような治療を行えばよいか、答えのない問題だ。何らかの答えを出し、自分の答えだけが正しいと思い込んでいる人はこの漫画を読んだ方がいい。いや、ガンに関わる全ての人はこの漫画を読むべきだ。読んで死の恐怖を味わうべきだ。 本来は患者が生きるために医者に治療してもらうはず。しかしいつしか患者は治療のために医者に生かされている。病名を偽った時点で、患者は医者に生かされる「モノ」になってしまう。 ここにきて遂に斉藤が暴れだす。斉藤は庄司に内緒で辻本さんに告知を行う。治療を行うための告知だ。しかし辻本さんは告知を受け、絶望し、治療を諦める。彼女は死を受け入れたようにみえた。しかしそんな辻本さんへ斉藤は未認可の薬を使ってみないか、と提案する。
「死という現実」への絶望感、無力感、救いのない「医療」に対する歯がゆさに
斎藤先生が熱く噛み付いていきます。斎藤先生を突き動かすのは、何かしてあげ られることがあるはずなのに、それを邪魔するくだらないもの(ルール)が多すぎ るということなのでしょう。 今まで斎藤先生のこの熱さに感動して1巻から読み進めてきましたが、今回の 斎藤先生は正直行き過ぎだろうと思いました。患者のためというよりも、単なる 自己満足と受け止められても仕方ありません。 しかし、それでも何もしないより波風を立ててでも「何かをした方がいい」。 何かが変わる可能性があるのだから。このロジックにはおおいに納得しました。 患者の辻本さんは癌の告知を受け、「絶望とは真っ暗なものだと思っていた。しかし、 それは違った。絶望とは普段何気なくみている日常の景色がこんなにいとおしいもの だったのかとまぶしく見えるものだった」と語り死と向き合い始めました。 何かが変わった証拠でしょう。斎藤先生の「身勝手さ」が図らずも水滴が一滴ずつ 石を穿つように、じわじわと患者の心に何かを芽生えさせたのでしょう。
過去に庄司と宇佐美が未承認薬を用い
その結果、二人が現在のように異なる見解を持つようになったことを知った斉藤。 それを知ってなお、辻本に未承認薬を使いたいと思う斉藤はカルテを改ざんする。 はじめはこんなアツイ医者がいたら 日本の医療界も少しはよくなるのかなーなんて思ってたけど 途中からあまりの非常識極まりない斉藤の言動に恐怖すら感じます。 本当は感動するマンガのようですが 冷静に考えるとこんな医者、大迷惑なんじゃ。 患者の気持ちを動揺させて自己満足って・・・ そう考えると事なかれ主義のお医者様のほうがまだマシに見えてきた7巻でした。
患者は、自分の病気を少しでも楽にしてもらいたくて医者に頼ります。患者の症状を見ない、思いやりのない治療(マニュアル重視、売上重視な治療)を行う医者が横行するなかで、医者の本当の義務は何かを真剣に悩み、本気で患者を思いやる主人公の行動には心を打たれます。私もこの主人公のように馬鹿がつくほど患者を思える医療従事者になりたい。
毎日適当に治療に当たっている医者に是非読んで頂きたい。
存在しないけれどあるように見せかけた問題意識と、本来の核である
覗き趣味とを実に絶妙にブレンドし、「難しい社会問題について考えて いるような錯覚を味わいながら、俗な覗き趣味を満足させられる」ように 仕上げた珠玉の逸品。 リアリティ皆無なれど、はげしく書き込まれた劇画タッチの絵、涙やら 鼻水やら唾やらの体液をやたらと放出し泣きわめく超現実的に不安定な 登場人物達、さらに問答無用の生死という激重テーマをぶちこめば、 読者はたちまちドキュメンタリー風味(「手作り風味インスタントラーメン」 の「風味」と同じです)に押し流されて夢の中、という案配。 この作者特有のじっとりして青臭いキャラが雰囲気づくりに多いに貢献。 かるーく深刻な気分を楽しみたいユーザーにはピッタリではないでしょうか。 でも、本気で受け止めて考察をするのは、「キャッツ☆アイ」を読んで、 防犯設備について考察するようなもんだからやめておくことを推奨。
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