井上 雄彦の本
バガボンド―原作吉川英治「宮本武蔵」より (8) (モーニングKC (720))
武蔵!!また会おう!今度は命を奪いあうことなく!!この高みに近ずいた胤舜の言葉と、その後の武蔵の笑顔!!もう言う事無しの素敵さです!!。
全世界で1億部を売り上げた『スラムダンク』の作者井上雄彦氏が
歴史小説界の巨峰・吉川英治氏の創作小説 『宮本武蔵』 を元に 大胆なアレンジを加えて作り上げた剣豪漫画。 基本的な設定と大筋は原作通りだが、実際の内容は別物といっていいものになっている。 この巻は4巻から続く宝蔵院編の最終巻で、胤舜との決着から新たな旅立ち、 そしてヌハの新たな決意までが描かれている。 命のやりとりを経てこそその彼方に見る事のできる生の素晴らしさを訴えた、 緩急起伏に富んだシナリオの見事さ、爽やかな読後感も去ることながら、 この頃は井上氏の線画の絶頂期とも言うべき時期にあたり、きわめて絵が美しい。 胤舜という、天才的ではあるが人として何かが欠落している奇特な人格に関しても、 過去回想を盛り込む事によって人格形成の契機となった事件を描写し、 これまで欠けていピース(忘失によって覆い隠していた、自己の弱さに関するトラウマと、 どれだけ強くなってなお決して過去の惨劇を防ぐ事はできない空疎感)の埋め合わせをしている。 それにしてもあれだけ引っ張った死闘の決着が、フラッシュバックにより錯乱状態に陥る胤舜、 調子に乗ってその場でピョンコピョンコ飛び跳ねる武蔵、着地の瞬間で身動きも取れない相手すら まともに貫く事もできぬ、素人の如き拙劣な技倆の槍…と、まったく締まらなかったのが残念。 もとよりこの作品は戦闘シーンのそこかしこに見られる、おかしな点にツッコミを入れればキリが無いのだが、 そもそも武術の実践的な技術を描いたものではなく、武とは、剣とは何かという精神論を描いたものであるが故、 そうしたものは些事に過ぎず減点の対象にすべきではないだろう。
果たして、命を助ける人間や命を守るために逃げる人間よりも、命を奪う人間や命を捨てる人間の方が強いのか。
胤舜は命のやり取りを所望した。命を奪う覚悟のある人間、命を捨てる覚悟のある人間になりたがった。そして、そういう人間になろうとした。しかし胤栄の弟子対決は、死の寸前で逃げた武蔵が制した。 「武蔵、また会おう。次は命を奪い合うことなく」 武蔵との戦いで何かを悟った胤舜のすがすがしい言葉。あっぱれ胤舜。 一方、佐々木小次郎として生きる又八は、ばあさんとの再会を果たす。 又八は、武蔵を倒すと宣言する。
バガボンドで私が一番好きな人物が、胤舜です。
バガボンドにのめりこむきっかけになった人物です。 胤舜がいたから、武蔵は剣について、戦うことについて、生きることについて、学んだのではないかと思います。 意識が体から離れた時に自分で見ている、胤舜の生い立ちが、とても悲しく、でもそれを見れたから、だから、「命を懸けて戦う」ことが、「生きる」ことが、胤舜にとってどれだけ今までかるんじていたことか、わかったのだと思います。 胤舜の最後のせりふ、「命を奪い合う事なく」、号泣です。 胤舜と梅軒には、武蔵にとって貴重な、貴重な存在だろうし、そうあってほしいし、武蔵に斬られてほしくない。 私にとって、胤舜は、いつまでも語っていたいくらい、それくらい、バガボンドでは貴重な、ドラマのある人物です。 「マンガとはいえ」とか言ってられない、のめりこむドラマです。 できることなら、いつか、武蔵が胤舜に会いに行って、戦うことなく、思い出話をしてほしい、と勝手に思っています。
最初は,宮本武蔵ものということで,ありがちなアクションだけ派手で敵をどんどんやっつけていく話だと思ってたのですが,実は深い深い話なんですよ. 主人公の武蔵がいろいろな人と接していくことで剣豪としても人間としても成長していくプロセスを魅力的に描いています.どのように生きるかといった哲学的な考えやものの見方が随所に現れて,非常にためになるマンガでもあります.バガボンドを読んで,生きるヒントを探してみてはいかがでしょうか.
井上 雄彦の本バガボンド―原作吉川英治「宮本武蔵」より (8) (モーニングKC (720))
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