井上 雄彦の本
バガボンド―原作吉川英治「宮本武蔵」より (1) (モーニングKC (619))
この物語は宮本武蔵という侍の物語であると共に自己のアイデンティティーを模索する悩める青年の物語でもあります。関ヶ原以後、「剣」という物は平和の世で意義を失ってゆきます。武蔵のように剣に自己を見いだそうとする者にとっては難儀な時代だったでしょう。
いつの時代も青年は自己のアイデンティティーに悩みます。そう見ると武蔵もまた悩み続ける青年であったと言えます。
若い頃の「自分は世界でどれぐらい通用するのか試してみたい」という部分で共感させられたこの作品。
このバガボンドは絵も内容も非常に長けていて面白い。 しかしながら、一筋縄の考えだけでは難しい内容もあり、そして何よりユニークである。 ジャンルは戦国。だけど、そこまで固い内容じゃないから誰でも入り込める。だからこそ、一度のめりこんでしまうととことん理解しようとするので深く深く沈んでいってしまう。 主人公は初めから例外なく強い。常人の域を遥かに超えた剛腕の持ち主。しかし、心と技が欠けている。それを実際に戦場で敗れて思い知る。 そんな壮大なストーリーの序章がその負けたところか始まる。
学生時代に読んでいました。
この前久しぶりに読んだらやはりはまる。 主人公武蔵(たけぞう)は村一番の暴れん坊で、周囲からは忌み嫌われています。 合戦で武勲を挙げようとするが、うまくいきません。 己のずばぬけたうでっぷしをもてあまし、生きる意味が見つからないたけぞう。 やがて剣の道に活路を見出していくのですが、そこまでいく過程もじっくり描かれていて、 読み応えがあります。すばらしい。圧倒的画力、練りこまれた話作り、 間の取り方も絶妙で、読み出すと抜け出せません。 「生きていていいのか…」とたけぞうがつぶやく場面、序盤で気に入っています。 これは泣けた。そしてずっと読んで生きたい衝動に駆られました。 1巻は、たけぞうの力強さが描かれます。棒切れをぶんぶん振り回し、 ばったばったと人を叩き伏せます。しかし、これは悪意というより、 彼にとっては自己表現なのだと思います。 それでしか自分を出せない不器用なやつなのだろうと思うと、かわいらしささえ感じます。 文句なく面白い。28巻まで出ているようですが、 16000円くらい痛くないです。
井上雄彦はプレイボーイでの本宮ひろ志との対談で
スラムダンクが陽であるならばバガボンドは陰であると 語っており、まさにその通りの少し暗めで シリアスな作品に仕上がっている 青年誌に移ったのは少年誌の表現規制に 縛られたくなかったんでしょうね 血も出るし傷跡もかなり痛々しい どうしてもテレビや映画の時代劇なんかだと ここまで描けないですよね。 漫画だから許される表現技法だと思います 僕は常々、少年誌の時代劇物に疑問を持っていて それはご都合主義であったり刀で切られたのに その傷口のしょぼさはねーだろと不満に感じていたクチなので この作品は溜飲を下げてくれました
スラムダンクを読み終えた、少し後に読み始めたんですが、最初は残酷な描写があって戸惑いました。特に落武者狩りを殺す所とか。スラムダンクの後だったので、尚更そう感じたのかも知れません。でもやっぱり読み終えてみると続きが気になるんですよね、不思議な感じです。これはやっぱり井上先生の作品だからでしょうね。
井上 雄彦の本バガボンド―原作吉川英治「宮本武蔵」より (1) (モーニングKC (619))
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